相続は誰に相談すればよい?相談先の選び方を悩み別に弁護士が解説|弁護士・税理士・司法書士の違い
- HOME
- お悩み別コラム
- 相続手続き全般・相続登記・相続放棄
- 相続は誰に相談すればよい?相談先の選び方を悩み別に弁護士が解説|弁護士・税理士・司法書士の違い
相続について相談したいものの、弁護士、税理士、司法書士のどこに相談すればよいのか分からない方は少なくありません。相談先は悩みの内容で決まります。家族ともめているなら弁護士、相続税が心配なら税理士、不動産の名義変更なら司法書士が基本です。ただし、専門家にはそれぞれ法律上できないことがあり、相談の途中で相談先を変えなければならないこともあります。この記事では、悩み別の相談先、相談先選びで失敗しやすいケース、誰に相談すべきか決められないときの考え方を解説します。
第1章 相続の相談先は「悩みの内容」で決まる|主な専門家の役割
相続の相談先を選ぶときは、相続に詳しいかだけでなく、「自分の悩みがどの専門家の分野か」を考える必要があります。専門家ごとに法律で決められた業務の範囲があり、同じ相続の相談でも、対応できる内容が違うためです。
1-1 弁護士・税理士・司法書士は担当する分野が違う
相続の相談で中心になるのは、弁護士・税理士・司法書士の3つの専門家です。
| 専門家 | 主に担当すること | 担当できないこと |
|---|---|---|
| 弁護士 | 遺産の分け方の交渉、調停・審判、遺留分の請求、相続放棄など、法律上の判断が必要な問題全般 | 相続税の申告(税理士登録をしている弁護士や、税理士法に基づく通知をした弁護士を除く) |
| 税理士 | 相続税がかかるかの試算、相続税の申告、節税の検討 | 相続人同士の交渉や調停の代理 |
| 司法書士 | 不動産の名義変更(相続登記)、家庭裁判所に出す書類の作成 | 遺産分割の交渉や調停の代理、相続税の申告 |
弁護士は、相続の法律問題を幅広く扱えます。弁護士でない人が、報酬を受け取って他人の法律上のもめごとの交渉や代理をすることは法律で禁じられているため(弁護士法72条)、相続人同士で意見が対立している場面では、弁護士が相談先になります。
一方、相続税の申告を代わりに行えるのは原則として税理士です(税理士法52条)。登記の手続きは司法書士の専門分野で、相続放棄の申述書のように家庭裁判所に出す書類の作成も担当します。
1-2 行政書士・社労士・銀行などに相談できること
3つの専門家のほかにも、相続に関わる相談先があります。
行政書士は、相続人の間に争いがない場合に、遺産分割協議書(遺産の分け方を決めた書面)などの書類作成を担当します。ただし、争いがある場合の交渉や、登記・相続税の申告は扱えません。
社会保険労務士(社労士)は、年金や社会保険の手続きの専門家です。亡くなった方が年金を受け取っていた場合の遺族年金の請求などを相談できます。
銀行の中には、預貯金の解約や財産目録の作成などをまとめて行う「遺産整理業務」を扱うところがありますが、登記や相続税の申告は、銀行が提携する司法書士・税理士が行うのが一般的で、その費用は別にかかるところが多いです。
第2章 悩み別|相続は誰に相談すればよいか
専門家ごとの役割を踏まえて、よくある悩みごとに相談先を整理します。あわせて、その専門家だけでは対応しきれなくなる場面も示します。
2-1 家族と遺産の分け方がまとまらない・もめそう
相談先は弁護士です。弁護士は、本人に代わって他の相続人と交渉したり、話し合いがまとまらない場合に家庭裁判所の遺産分割調停で代理人を務めたりできます。
「まだもめてはいないが、兄弟の一人が強く主張していて不安」という段階でも、早めに弁護士に相談しておく意味があります。法律上の取り分(法定相続分)や、生前に多額の援助を受けた相続人がいる場合の考え方を知っておくと、話し合いの落としどころを判断しやすくなるためです。
福岡・博多で遺産分割を弁護士に相談したい方へ|手続の進め方・相談すべきケース・費用の目安を解説
2-2 遺言の内容に納得できない・自分の取り分がない
この場合も弁護士に相談します。遺言の内容が偏っていても、配偶者や子などには、最低限の取り分(遺留分)を請求できる場合があります。
遺留分の請求には期限があります。相続の開始と、取り分を侵害する遺言や贈与を知った時から1年、または知らなかった場合でも相続開始から10年を過ぎると請求できなくなります。
遺言書が本人の意思で書かれたものか疑わしい場合も、遺言の有効性という法律問題になるため、弁護士の分野です。
2-3 亡くなった人に借金がありそう・相続放棄を考えている
相続放棄を考えている場合は、弁護士か司法書士に相談します。相続放棄は、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があり、期限を過ぎると借金も含めて相続することになります。
司法書士は、申述書の作成を通じて手続きを支援します。一方、借金の調査を進めながら債権者とのやり取りが必要な場合や、相続放棄をするかどうか自体を他の相続人との関係も含めて判断したい場合は、弁護士の方が対応できる範囲が広くなります。
相続放棄するか迷っている方へ|借金がありそうな場合に最初に確認すべきこと
2-4 相続税がかかるか心配・申告が必要か知りたい
相談先は税理士です。遺産の総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」(基礎控除額)を超えるかどうかが、相続税がかかるかの最初の目安になります。超える場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税が必要です。
ただし、相続税の額は遺産の分け方によって変わります。分け方について相続人の意見が分かれている場合は、税理士だけでは話を前に進められないため、弁護士との連携が必要です。
また、亡くなった方に事業や不動産賃貸などの所得があった場合は、相続税とは別に、亡くなった年の所得税の申告(準確定申告)が必要になることがあります。期限は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。これも税理士の分野です。
相続税申告の期限が迫っている方へ|今何を優先して対応すべきか、税理士・弁護士に相談する際のポイント
2-5 実家や土地の名義変更・売却をしたい
名義変更(相続登記)は司法書士に相談します。2024年4月1日から相続登記は義務になり、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
不動産を誰が引き継ぐかで家族の意見が分かれている場合、特定の相続人が単独で取得する内容の相続登記をするには、まず分け方を決める必要があります。その場合は、まず弁護士に相談することになります。売却で利益が出る場合の税金は、税理士に確認することが望ましいでしょう。
第3章 相続の相談先選びで困りやすいケース
悩みに合った専門家に相談しても、相続の進み方によっては、相談先を変えたり、別の専門家を探したりすることになります。代表的なのは次の3つのケースです。
3-1 話し合いの途中で争いになり、相談先を変えることになる
最初は争いがなく、司法書士や行政書士、銀行に手続きを任せていたものの、途中で相続人の一人が分け方に反対するケースです。争いになると、弁護士以外は交渉や調停の代理ができないため、弁護士に依頼し直すことになります。それまでの経緯を一から説明する必要があり、時間と費用がかかります。
家族の誰かと関係がよくない、連絡が取りにくい相続人がいるなど、争いになりそうな事情があるときは、最初から弁護士にも相談できる相談先を選んでおくと、依頼し直す手間を防げます。
3-2 分野ごとに別々に相談し、判断がかみ合わない
相続では、分け方・税金・登記が互いに影響します。たとえば、亡くなった親の自宅の土地は、同居していた子など一定の要件を満たす相続人が取得すれば「小規模宅地等の特例」により土地の評価額を最大80%減らせますが、要件を満たさない相続人が取得すると使えません。
分け方だけを先に決め、あとで税理士に相談して特例を使えない分け方だったと分かると、相続税が大きく増えたり、分け方を話し合い直したりすることになりかねません。分け方は、税金の面から確認したうえで決めるのが望ましいでしょう。
3-3 期限が迫ってから相談先を探し始める
相続放棄や相続税の申告など、相続には期限のある手続きがいくつもあります。
どの専門家に相談するか迷っている間にも期限は進むため、相談先が決まらないまま時間がたつこと自体がリスクになります。
期限に間に合いそうにない場合でも、取れる手段はあります。
相続放棄は、財産の調査が終わらないときに、期限内に家庭裁判所へ申し立てれば期間を延ばせることがあります。相続税は、分け方が決まっていなくても、法定相続分で分けたものとしていったん申告・納税し、分け方が決まった後に修正することができます。どちらも期限内に動く必要があるため、迷っている段階で早めに相談することで、こうした手段を使える余地が残ります。
第4章 誰に相談すべきか決められないときは、まとめて相談できる窓口へ
相続の相談先は、悩みの内容で選ぶのが基本です。家族との争いや遺言・遺留分の問題は弁護士、相続税は税理士、不動産の名義変更は司法書士、年金の手続きは社労士が中心になります。ただし、次のような場合は、1人の専門家だけでは対応しきれない可能性が高くなります。
・今は争いがないが、今後もめる可能性がある
・何から手をつければよいか分からず、どの専門家の分野かも判断できない
こうした場合は、複数の専門家に一度に相談できる窓口を選ぶと、相談先を探し直す手間が省け、分け方と税金をあわせて検討できます。相談の際は、亡くなった方の財産が分かる資料(通帳、固定資産税の通知書など)などがあるとスムーズです。
相続LOUNGEは、福岡市の博多マルイ5階にある相続の相談窓口です。グループ内の弁護士・税理士・司法書士・社労士が連携しているため、誰に相談すべきか決まっていなくても、窓口でまとめて相談できます。
遺産分割や遺留分、相続放棄、相続税の申告、相続登記、遺言書の作成まで、相続に関する課題をワンストップでサポートします。相続の相談は初回無料で、遠方にお住まいの方はオンラインでの相談も可能です。福岡で使える相談窓口については、次の記事で紹介しています。
関連コラム
福岡で相続の相談はどこにする?福岡市の無料相談窓口と専門家の選び方を弁護士が解説
初回相談無料
初回相談は無料。誰に相談すべきか分からない段階でも、相続LOUNGEでまとめてご相談いただけます。
相談予約はこちらから



