相続の事前準備って何かした方がいいの?

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最近、「終活」という言葉を耳にするようになりましたが、相続の準備は何かしていますか?亡くなったあとの相続手続きはとても大変で、相続人はしなければならない手続きが山ほどあります。

残された相続人の負担を少しでも減らすために、相続が発生する前に何が準備できるのか知っておきましょう。

1.家系図の作成

まずは相続人を確定させるところから始めます。そのために「家系図」を作成すると良いでしょう。家系図とは、自分の家族の系統(これを「家系」といいます。)を図にしたもので、家族のつながりを分かりやすく図に記載したものをいいます。

家系図を作るためには何から始めれば良いでしょうか。家族構成を知るために、戸籍収集による調査を行います。「戸籍」は夫婦や親子の関係を記載した、家族関係を表す公的書類です。戸籍を収集することが最も合理的な調査方法となります。ただし、戸籍が古すぎて残っていない場合などは現地調査や聞き込み調査を行う必要が出てきます。

実際に戸籍を取得するには、家系図を作成したい人の氏名、生年月日、本籍地、筆頭者を把握し、本籍地を管轄している役所で申請します。これらの情報が分からないときは、住民票を取得し、本籍地等の確認を行いましょう。

まずは、現在戸籍を取得し、そこから従前戸籍や除籍など、生まれてから現在までの全ての戸籍を取得します。それらの戸籍を読み取り、相続人を確定しましょう。

一般的な家系図の作成方法は以下のとおりです。

<一般的な家系図の書き方>

家系図

夫婦間は二重線で繋ぎ、離婚をしているときは二重線の上から、「/(スラッシュ)」を書きます。前妻と後妻がいるときは、夫の右側に前妻、左側に後妻を並べ、子供は、父と母の間から1本の線で繋ぎます。子供が複数いる場合は、同じ行に子供同士を並べて、子供の中に養子がいる場合は、養父と養母の間から二重線で結びましょう。

また、亡くなっている場合は、名前の上から「/(スラッシュ)」を記載することが多いです。上記図では祖父が亡くなっていることが分かります。なお、家系図を作成するときに、「世代で行をそろえる」ことが大切です。子供の代、孫の代でそれぞれ同じ行に並べて記載していくと、誰が見ても分かりやすい家系図が作成できます。

2.資産の把握

突然、体調が悪くなってしまったり、急に痴呆が進むこともあります。自分で判断できるうちに自分の資産を把握し、記録として残しておくと良いでしょう。

資産を把握するには、通帳・保険証券・有価証券・固定資産税が分かる書類(納税通知書等)を揃えるところから始めます。

必要な情報が手元にない場合は、金融機関に依頼し、情報を開示してもらいましょう。親族であっても、名義人本人からの請求でない限り開示できないことがほとんどですので、本人が元気で、判断能力がしっかりしているうちに資料を揃えておく必要があります。資料が揃ったら、一覧表を作成しましょう。資産一覧表の作成方法は以下のとおりです。

<一般的な資産一覧表>

種類 名義 金額 所在 面積 備考
●●銀行 普通 本人 ●●
●●保険会社 生命 本人 ●●
土地 宅地 本人 ●● 福岡市博多区●● ●●㎡

情報は最新のものを残しておく必要がありますので、最低でも半年から1年おきに更新しましょう。また、ローンなどの負債がある場合は、それも記載しましょう。

被相続人の資産を引き継ぎたくない場合は、亡くなったことを知ってから3か月以内に申告すれば「相続放棄」をすることができます。相続人が3か月で判断する材料として必要になりますので、資産一覧表を作成し、相続人に開示できるよう準備をしておきましょう。

3.資産の組み換え

「資産の組み換え」とはどのようなものか知っていますか?現金や預貯金を多く保有している場合は、資産の組み換えにより相続税対策で相続税を減少させることができます。

例えば、3億円の現金を保有していた場合、3億円を相続財産として相続税を計算しますが、3億円で不動産を購入した場合、不動産の評価額は必ずしも3億円ではありません。相続税を計算する際、不動産の価値は路線価あるいは固定資産税評価額をベースに算出されます。通常、これらの金額は時価よりも低い金額になることが多いため、結果として不動産を購入することで相続税を抑えることが可能となります。

また、利用価値の低い600坪の土地を保有しており、売却すれば3,000万円になる場合、これを売って都心の3,000万円の土地を購入すれば、たとえ坪数が下がっても、その利用価値の高さから、結果として資産価値が大幅に高まる可能性があります。

以上のように、土地や預金をそのまま保有していても問題ないのですが、形を変えることにより、相続税対策になり、資産価値を高める可能性が十分にあります。相続税については、一般的な例をご紹介しておりますので、資産の組み換えを考えらえている方は、一度専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。

4.まとめ

今からできる相続の準備についてご説明しましたが、最初にも述べたように、相続手続きは時間がかかり、相続人同士でトラブルになることも多く、相続人に負担がかかります。それを少しでも改善するために、遺言書を作成したり、家族信託を利用するなど、上記にご紹介したこと以外にもたくさん方法はあります。

まずは、どんな資産があるのか確認し、相続人を把握するところから始めてみましょう。

 

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