家庭裁判所から遺産分割調停の書類が届いたら?まずやるべきこと・確認すべきことを解説
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遺産分割調停を申し立てられた方へ|初回期日前に一度弁護士へご相談ください
相続について家族と話し合っていたところ、ある日突然、家庭裁判所から遺産分割調停に関する書類が届くことがあります。
封筒の中に、法的な書面が入っていると、「自分は訴えられたのか」「すぐに反論しなければならないのか」と不安になる方も多いでしょう。
遺産分割調停は、相続人同士で遺産の分け方について話し合いがまとまらない場合に、家庭裁判所で話し合うための手続です。裁判所から書類が届いたからといって、ただちに自分が悪いと判断されたわけではありません。
しかし、だからといって、書類を放置してよいわけでもありません。
本コラムでは、遺産分割調停を申し立てられた方に向けて、通知が届いた直後に確認すべきことや初回期日前に整理しておきたい内容について弁護士がご説明します。
第1章 家庭裁判所から書類が届いたら、まず中身を確認する
遺産分割調停の書類が届いたら、まずは届いた書類の中身を確認しましょう。(開けることで何の不利益も生じませんので安心してください。)
家庭裁判所から届く書類には、調停期日呼出状、遺産分割調停申立書、財産目録、進行に関する照会書などが入っていることが一般的です。
1-1 初回期日の日程を確認する
まず確認すべきなのは、初回期日の日程です。
調停期日呼出状には、家庭裁判所に出頭する日時、場所、担当部、事件番号などが記載されています。仕事や家庭の事情で出席が難しい場合でも、放置するのではなく、早めに裁判所へ連絡し、期日変更が可能か確認する必要があります。
また、弁護士に相談する場合には、初回期日までの期間が短いほど準備時間が限られます。書類が届いた段階で、できるだけ早めに相談予約を入れることが大切です。
※弁護士に依頼するとなった場合で、受任から初回期日までに相手の主張内容を精査する時間が足りない場合は初回期日の変更の申し出を行うこともありますので、期日までの期間が短い場合でもまずはご相談ください。
1-2 申立人が何を求めているのかを確認する
次に、申立書を確認し、申立人が何を求めているのかを把握します。
たとえば、特定の不動産を誰が取得することを求めているのか、預貯金をどのように分けたいと考えているのか、特別受益や寄与分、使途不明金について主張しているのかを確認します。
申立書の中に事実と異なる内容や自分に不利な主張が含まれている場合には、期日で説明をしていくことになります。
1-3 自分が訴えられたわけではないことを把握しておく
調停申立書が届くと、「自分は訴えられたのか?」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、遺産分割調停における申立人・相手方という立場は、どちらかが悪いというわけではありません。相続人の一人または複数が申立人となり、他の相続人全員を相手方として申し立てる仕組みであるため、形式上、相手方と記載されている状態です。
訴えられたわけではないため、必要以上に委縮する必要はありません。
第2章 届いた直後にしてはいけない対応
調停の書類が届くと、不安や怒りから、すぐに相手方へ電話をしたり、長文のメッセージを送ったりしたくなることがあります。
しかし、初動対応を誤ると、調停での話し合いにも悪影響が出ることがあります。
2-1 NG①:対応を放置すること
まず避けるべきなのは、対応を放置することです。
「調停には行きたくない」「相手が勝手に申し立てただけだから関係ない」と考えて何もしないと、自分の主張を伝える機会を失う可能性があります。
遺産分割調停は、話し合いによる解決を目指す手続ですが、話し合いがまとまらなければ審判へ移行し、裁判所が遺産の分け方を判断することになります。
対応をしないというのはNGですので、必要であれば弁護士へ相談の上で必ず対応を行いましょう。
2-2 NG②:相手に直接連絡や反論をする
次に避けたいのは、調停を申し立ててきた相続人に対して直接連絡をしたり反論したりすることです。
申立書に納得できない内容があると、「事実と違う」「なぜこんなことを書いたのか」とすぐに言いたくなるかもしれません。
ですが、裁判所を通じた遺産分割協議を申し立てられた以上、一旦相続人同士での直接のやり取りは避けましょう。
メッセージやメールで送った内容が、後に資料として提出されることもあります。
勢いで送ってしまった言葉が、自分に不利な印象を与える可能性もあるので、ここは注意が必要です。
反論したい内容がある場合には、まずは弁護士に相談のうえで、どのように主張すべきかを整理してから対応する方が安全です。
2-3 NG③:申立時の書類・資料だけで自己判断する
申立書や財産目録を見て、「この内容はおかしい」と感じることがあります。
たとえば、預貯金が少なすぎる、不動産の評価額が低すぎる、生前贈与について一方的な主張がされている、親の預金の使い込みを疑われているといった場合です。
このような場合でも、申立時の書類内容や情報だけで結論を出すのは控えた方がよいです。
判断材料が少ない場合は、証拠となる資料や記録などを確認しなければ、法的にどのような主張ができるのかも判断できませんので、まずはそこを開示のうえで事実関係を正確に把握するところから始める必要があります。
第3章 初回期日前に確認したいこと・整理しておきたいこと
遺産分割調停では、初回期日からすぐに結論が出ることは稀です。
裁判所が一方的に結論を決める場ではなく、相続人それぞれの主張や資料を確認しながら、遺産の分け方について話し合う手続になるため、初回期日までに自分の考えや資料を一定程度整理しておくことで、調停委員にも事情を伝えやすくなります。
3-1 財産内容を確認し、希望する分け方とその理由を整理する
まずは、どの財産が遺産に含まれるのかを申立人が提出した財産目録で確認します。
そのうえで、遺産をどのように分けたいのかについて、自分の考えを整理しておきましょう。
たとえば、不動産を売却して現金で分けたいのか、特定の相続人が取得して代償金を支払う形にしたいのか、預貯金を法定相続分に近い形で分けたいのかなどです。
3-2 特別受益や寄与分の主張がある場合は、事実関係を確認する
特別受益とは、相続人の一人が被相続人から生前に多額の贈与を受けていた場合などに、遺産分割で考慮されることがある利益です。(住宅購入資金、事業資金、多額の生活援助など)
寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人がいる場合に、その貢献を遺産分割で考慮する制度です。単に親の世話をしたというだけでは足りず、財産の維持・増加にどのように貢献したかが問題になります。
申立書に特別受益や寄与分の主張が書かれている場合には、その内容が事実に合っているかを確認します。反対に、自分が主張したい場合には、いつ、誰が、どのような利益を受けたのか、またはどのような貢献をしたのかを整理します。
3-3 使い込みや使途不明金を指摘されている場合は事実整理を行う
申立書の中で、親の預金を使い込んだ、使途不明金があると指摘されていることがあります。
このような主張がある場合は、客観的にみて使い込みではないこと・出金の使途を証明しなければならないため、出金ごとに領収書や請求書などをもとに事実整理を行うこととなります。(もちろん、初回期日までに全ての作業が間に合わなくても大丈夫です。)
第4章 弁護士に相談・依頼すべきかの判断ポイント
遺産分割調停を申し立てられた場合でも、必ず弁護士に依頼しなければならないわけではありません。
ただし、初回期日前に一度相談しておくことで、自分の立場や争点を整理しやすくなります。
4-1 まず相談だけでも意味がある
特に、初めて家庭裁判所から書類が届いた方にとっては、調停の雰囲気や進め方が分からないだけでも大きな不安になります。
弁護士に相談したからといって、必ず代理人として依頼しなければならないわけではありません。まずは相談をしてみて、そのうえで自分でも対応できそうなのか、代理人を付けた方がよさそうかを判断することができます。
4-2 弁護士への依頼を検討した方がよいケース
たとえば、遺産の範囲に争いがある場合、不動産の評価額で意見が分かれている場合、特別受益や寄与分が問題になっている場合、親の預金の使い込みを疑われている場合、相手方に弁護士が付いている場合などについては、こちら側も弁護士への依頼を検討された方がよいでしょう。
また、相続人同士の感情的対立が強く、直接顔を合わせること自体が負担になっている場合も、弁護士が代理人として入る意味があります。
弁護士が代理人になることで、主張書面の作成、資料整理、裁判所とのやり取り、期日対応を任せることができます。自分だけで調停に出席するよりも、法的な争点を整理したうえで進めやすくなります。
4-3 弁護士に相談する前に整理しておくとよいこと
弁護士に相談する際には、裁判所から届いた書類一式を持参しましょう。
そのうえで、これまでの相続人間の話し合いの経緯、自分が納得できない点、相手方の主張で事実と違うと思う点、自分が希望する分け方を整理しておくと、相談がスムーズになります。
完璧な資料や説明を準備する必要はありません。むしろ、何が分からないのか、何に不安を感じているのかをそのまま相談することが大切です。
初回期日が近い場合には、相談予約の際に期日の日程、提出期限、裁判所名なども伝えておくとよいでしょう。
第5章 福岡・博多で遺産分割調停を申し立てられた場合
遺産分割調停を申し立てられた場合、書類を見ただけでは、何から手をつければよいか分からないことがあります。
特に、相手方の主張に納得できない場合や、預金の使い込み、生前贈与、介護の貢献などが争点になっている場合には、自分だけで対応方針を決めるのが難しくなります。
相続LOUNGEは、博多マルイ内にある相続相談窓口として、福岡・博多で相続に関する相談を検討している方が、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に相談しやすい場を目指しています。
調停を申し立てられたからといって、すぐに不利になるわけではありません。しかし、何も準備せずに期日を迎えると、自分の考えや必要な反論を十分に伝えられない可能性があります。
弁護士による初回無料相談を行っておりますので、調停申立書が届いた方はまずは一度ご相談ください。



