遺産分割って何?どういうときに必要になるの?
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動画でわかりやすく解説!
テレビやインターネットなど、様々なところで「遺産分割」という言葉を耳にしますよね。
なんとなくの意味・内容なら知っている、という方がほとんどだと思いますが、実際はどのようなものなのでしょうか?
1.「遺産分割」とは
「遺産分割」とは、被相続人が残した財産を、遺産分割協議と呼ばれる話し合いをすることによって、遺産をどう分配するかを決めることを言います。主に、遺言書がなかったり、遺言書はあるがそれが無効なものであったりするときに、この話し合いを行います。
「遺産分割」の方法には、現物分割、代償分割、換価分割の3種類があります。
まず1つ目に現物分割とは、「預金は妻に、土地と建物は長女に。」「預金と農地は長男に、土地と建物は妻に。」などのように、現金や不動産などの遺産を、そのまま現物で分割することをいいます。
メリットとしては、手続きが簡単で、現物をそのまま分割するため分かりやすく、売却する手間などもかからない、デメリットとしては、遺産を公平に分けることが難しい、ということが挙げられます。
2つ目に代償分割とは、不動産などの遺産を取得した人が、取得した代わりに、他の相続人にお金を支払うことを言います。例えば、長女が土地を取得した場合、長女は取得した代わりに、次女に300万円を支払う、といったことになります。
メリットとしては、お金を支払うことで、細かな調整が可能となり、遺産を公平に分割することができる、デメリットとしては、取得された現物の適正な評価が難しい、支払能力がある者でないと代償のお金を支払うことが難しい、ということが挙げられます。
3つ目に換価分割です。これは、遺産を売却して、その代金を分配する方法になります。
メリットとしては、金銭での分配になるため、公平に分けることができる、デメリットとしては、売却などの手間や費用がかかるといったことが挙げられます。
上記3つの方法は、組み合わせて利用することも可能ですので、相続財産や相続人達の考えなどに合わせて上手く利用されてください。
2.「遺産分割協議」の流れ
そもそも「遺産分割協議」とは、1でも少し出てきた通り、相続人全員で、遺産をどう分配するかを決定する話し合いのことになります。「遺産分割協議」を行う場合には、相続人全員が参加する必要があり、相続人のうちの1人でも不参加だと協議が無効になってしまいますので、気を付けてください。
さらに、相続人の中に、判断能力のない方がいる場合には成年後見人、未成年がいる場合には、法定代理人の参加が必要となります。
「遺産分割協議」のおおまかな流れは以下の通りです。
①「遺産分割協議」を行う前に相続人調査・遺産調査を行う
先ほどお話したように、「遺産分割協議」は相続人全員が参加しなければなりません。ですのでまずは、誰が相続人なのかをはっきりさせる必要があります。
自分たちは誰が相続人なのかを把握しているつもりでも、実は被相続人には隠し子がいた、何十年も前に養子縁組を行っていた、などという可能性もゼロではありませんので、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、相続人を調べましょう。
さらに、相続人だけでなく遺産についても調べる必要があります。「遺産分割協議」を行う前に調べておかないと、協議後に新たな遺産が見つかった場合、再度話し合いをする必要が出てきてしまいますので、相続人調査と合わせてこちらも行っておきましょう。
②「遺産分割協議」
相続人調査、遺産の調査が終わると、「遺産分割協議」に入ります。相続人全員の参加が必要ですが、遠くに住んでいる相続人などがいる場合には、電話など、直接顔を合わせる形でなくても問題ありません。
協議を行い、相続人全員が遺産の分配方法について合意をしたら、「遺産分割協議書」を作成します。こちらについては次の3でお話します。
③「遺産分割協議」が整わない場合
②では相続人全員が協議内容に合意した場合について記載しましたが、もし全員の合意が得られなかった場合にはどうなるのでしょうか?
この場合は、家庭裁判所に調停の申し立て行う、審判を行う、などの方法をとることとなります。
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3.「遺産分割協議書」
1では、「遺産分割」の方法、2では「遺産分割協議」の流れを説明しましたが、2で出てきた「遺産分割協議書」とは必ず必要なのでしょうか?
この点に関し、法律上は口頭での合意でも有効ですので、その意味では作成の必要はありません。しかし「遺産分割協議書」を作成しておくことで、後々の争いを防ぐことができますし、相続税申告や不動産の登記に必要な場合も多くあるため、間違いなく、作成しておくに越したことはありません。
作成時の注意点としては、押印は実印で行う、相続人の数と同じ数作成し、全員が原本を保管しておけるようにする、不動産や預貯金については正確な情報を記載するなどがあります。
書籍やインターネットなどで調べると、ひな形や、公正証書にした場合の費用などの情報も載っていますが、全く同じ相続が存在するわけではないので、きちんと専門家に相談されたほうが良いでしょう。