山林や畑を相続して困っている方へ|放置する前に相談したい不要な土地の手放し方の選択肢

第1章 山林や畑を相続したまま放置すると問題が残ります

親が亡くなった後、山林や畑を相続することになったものの、「どう扱えばよいのか分からない」と悩む方は少なくありません。
山林や畑は、預貯金のように分けやすい財産ではありません。また、住宅地やマンションのように、すぐ売却できるとも限りません。場所が分からない、境界が分からない、誰も管理していない、固定資産税の通知だけが届くなど、相続後に初めて問題に気づくこともあります。

遠方に住んでいる方や、農業・林業をしていない方にとって、山林や畑は相続したものの使い道がない財産になりやすいものですが、相続したまま放置するのはNGです。
相続登記を含めて必要な手続を行ったうえで、不要な場合は手放し方を検討する必要があります。
もし、相続から時間が経ってそのままになっている山林や畑がある場合は、一度弁護士にご相談ください。

第2章 山林や畑を相続した時に行う手続:相続登記と各種届出

山林や畑を相続した場合、最初に進めるべきこととして、相続登記と各種届出が必要かどうかの確認があります。

2-1 手続①:相続登記を速やかに行う

山林や畑であっても、不動産である以上、相続登記の対象になります。
「価値がほとんどない土地だから登記しなくてもよい」「使う予定がないから名義を変えなくてもよい」と考える方もいますが、2024年4月1日より相続登記が義務化されたため、登記をしないままにすることは避けましょう。

なお、登記名義が亡くなった方のままだと、その土地を売却したり、誰かに譲渡したりすることができないほか、相続人が亡くなって次の相続が発生すると、相続人が増えてしまい、登記手続を進めることがさらに難しくなりますので、長期間放置せずに早めに名義変更を行っておいた方が望ましいと言えます。

2-2 手続②:農地を相続した場合は農業委員会への届出を確認する

相続した畑などが農地にあたる場合は、通常の宅地や山林とは異なり、農地法による規制を受けます。そのため、相続によって農地を取得した場合にも、農業委員会に対して届出を行う必要があります。

なお、登記簿上の地目が「畑」となっている場合でも、それだけで直ちに農地法上の農地として扱われるとは限りません。
農地法上の農地は、「耕作の目的に供される土地」と定義されており、基本的には登記上の地目だけでなく、現在の土地の状況も踏まえて判断されます。そのため、現に耕作されている土地や、現在は耕作していなくてもすぐに耕作できる休耕地は農地と判断される可能性がある一方で、長年放置されて山林化・原野化しており、容易に農地へ戻せないような土地は、農地として扱われない可能性もあります。
畑を相続した場合には、登記上の地目だけで判断せず、現況や農業委員会での扱いを確認のうえで、今後売却や転用を考える場合にどのような制限があるかを確認する必要があります。

2-3 手続③:山林を相続した場合は森林の土地所有者届出を確認する

山林を相続した場合には、森林の土地所有者届出が必要になり、所有者となった日から90日以内に取得した土地のある市町村に届出を行う必要があります。
山林は、相続人自身が日常的に利用していないことも多く、相続してから初めて存在を知るケースもあります。そのため、まずは固定資産税納税通知書、登記簿、名寄帳などを確認し、自分がどの山林を相続したのかを整理の上で、届出の提出先、必要書類について、必要に応じて市町村や専門家に確認するとよいでしょう。

第3章 相続した畑や山林を手放したい場合は、まず売却できるかを確認する

相続登記や必要な届出を確認した後、山林や畑を自分で使う予定がない場合には、まず売却できるかを検討します。
売却できれば、固定資産税や管理負担から解放され、相続人間で現金を分けることもできますが、山林や畑は、通常の住宅地やマンションと比べて売却が難しいことも多いので、売却が難しい場合は別の手段も検討する運びとなります。

3-1 山林は買い手が限られやすい

山林は、一般の住宅用地とは異なり、買い手が限られます。
特に場所が山間部にある、道路に接していない、林業利用が難しいなどの事情があると、一般の買主にとって取得しにくく、売却先を見つけることが難しくなることが予想されます。
山林を売却したい場合には、一般的な不動産会社だけでなく、山林や地方不動産に詳しい業者、隣地所有者、地元の関係者などに相談したうえで、買い手を探してみるのも手です。

3-2 畑などの農地は売却先や利用方法に制限がある

畑などの農地を売却したい場合には、前述した農地法との兼ね合いで、通常の土地売買とは異なる注意が必要です。
まず、農地は、誰にでも自由に売却できるわけではなく、農地として売却する場合には、買主が農地を適切に利用できるかという点がクリアされなければなりません。
その点、一般の買主が見つかりにくいこともありますが、近隣の農家や隣地所有者にとっては、農地の拡張や一体利用のために取得するメリットが大きいこともあるので、近隣の農地所有者の方に一度お伺いしてみるのもよいでしょう。

なお、売却をするために農地を宅地や駐車場など別の用途に変えたい場合には、原則として農地転用の許可や届出が必要となります。

3-3 売却してもお金が手元にほぼ残らない・逆に手出しが出そうな場合はどうする?

山林や畑を売却する場合には、査定上は一定の価格がついたとしても、売却までに測量費、境界確認費用などの追加の手数料がかかることがあります。
売却価格が低い場合には、手続費用や仲介手数料等を差し引くと、手元にほとんど残らないこともありますが、もっとも、手元に大きな利益が残らなくても、不要な山林・畑を手放せることや、固定資産税や管理負担から解放されること自体に意味があるというとらえ方もできますので、山林や畑を持ち続ける負担と、売却・譲渡にかかる費用を比較して判断されるとよいでしょう。

第4章 売却が難しい場合に検討したい選択肢

不動産会社に相談しても買い手が見つからない、近隣の農家や隣地所有者への譲渡も難しい、売却価格よりも測量費や手続費用の負担が著しく大きいといった場合には、売却以外の方法で手放せないかを検討することになります。
ただし、これらの方法は、いずれも「不要な土地を簡単に手放せる制度」ではないという点には留意が必要です。

4-1 相続土地国庫帰属制度を検討する

相続土地国庫帰属制度は、相続などによって取得した土地について、一定の要件を満たす場合に、国に引き取ってもらうことができる制度です。
山林や畑を相続したものの、売却できず、管理も難しい場合には、この制度を検討することがありますが、どのような土地でも引き取ってもらえるわけではないため、所有する畑や山林の状態によっては制度利用ができない可能性もあります。

申請時には審査手数料が必要になるほか、国庫帰属が承認された場合には、土地の管理費用に相当する負担金を納付する必要があります。
なお、この制度を利用できるのは土地のみとなり、建物が建っている土地の場合は更地にする必要があります。
加えて、土地の状態によっては、測量や現地確認が必要になることもあります。
国庫帰属制度を検討する場合には、制度利用ができる見込みがあるかを事前に確認の上で手続を進める方がよいでしょう。

4-2 有償引き取り会社を利用する

売却や国庫帰属制度が難しい場合には、有償で不動産を引き取る会社へ相談することも一つの手です。
有償引き取りとは、通常の売却とは異なり、所有者側が一定の費用を支払って、不動産を引き取り会社へ移転する方法で、特に買い手がつきにくい山林や畑について、管理負担から離れるための手段として検討されます。

有償での引き取り会社を利用する場合は、契約内容の確認を重々行うようにしましょう。
特に、所有権移転登記が確実に行われるか、費用の総額はいくらか、後から追加費用を求められないか、登記費用や測量費は誰が負担するのかについては、事前に確認の上で契約されてください。
もし、利用を検討しているけど不安がある場合には、契約前に弁護士や司法書士へ相談し、費用を支払うことで本当に土地を手放せる内容になっているかを確認するとよいでしょう。

第5章 山林や畑を相続したくない場合でも、相続放棄は慎重に判断する

山林や畑を相続したくないから相続放棄をしようかと考える方もいらっしゃるかと思いますが、相続放棄は、不要な土地だけを手放す制度ではなく、相続人としての立場そのものを放棄する手続となるので安易に決めてしまうのは推奨しません。

該当の土地以外に他に財産がほぼ無いというような場合はまた別ですが、一定程度他にも財産がある場合は、一旦相続をしたうえで、例えば取得した預貯金の中から費用を出して土地を処分するというような方法も検討できます。
なお、相続放棄の方向で進める場合は、原則として自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要ですが、この期限内に相続放棄の有無を判断できない場合には、家庭裁判所に期間伸長を申し立てることもできます。
山林や畑を相続したくない場合でも、まずは他の財産や借金の有無を確認し、相続放棄をするべきか、別の方法で土地を手放すべきかを整理することが大事になるので、相続放棄を選択肢に入れる場合には、早めに弁護士へ相談をされてみてください。

第6章 福岡で山林や畑の相続に困った場合は相続LOUNGEへご相談ください

山林や畑を相続した場合、万が一それが不要だと思われるものであっても放置するのはリスクがあります。
特に、山林や畑は売却が難しい場合があり、一般的な不動産とは異なる判断が必要です。
相続LOUNGEは、博多マルイ内にある相続相談窓口として、福岡で相続に関する相談を検討している方が、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に相談しやすい場を目指しています。
山林や畑を相続して困っている、売れる見込みがない土地をどうすればよいか分からない、相続放棄や国庫帰属制度を検討したいという方は、早めに相続LOUNGEへご相談ください。
初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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