遺言書を作った後で家族関係・財産状況が変わった方へ|古い遺言書の見直し・作り直しを相談する前に確認したいこと

第1章 遺言書に有効期限はないが、一定期間での見直しを推奨します

一度作成した遺言書には、法律上の有効期限はありません。
そのため、自筆証書遺言であっても、公正証書遺言であっても、作成時点で法律上の要件を満たしていれば、作成から何年経っていても、原則として有効な遺言書として扱われます。
たとえば、30年以上前に作成された遺言書であっても、方式が法律の要件を満たし、その後に撤回や変更がされていなければ、原則として遺言書としての効力は維持されます。

ただ、古い遺言書の効力があるかどうかという点と、そのまま問題なく使えるかどうかというのは別問題です。
たとえば、遺言書に記載した不動産が相続発生時に既に売却していた場合、その不動産を取得させる部分は実現できません。
また、遺言書を作成した当時に財産を渡す予定だった人が、相続発生時にすでに亡くなっている場合、その部分については当初遺言書で想定していた形とは違う形で財産承継が発生することがあります。
それ以外でも、金融機関の統廃合や口座の解約、不動産の分筆・合筆、ご自身の家族関係の変化(結婚、離婚など)など、作成から時間が経過することによって遺言書の前提事情が変わっていくことはあります。

そのため、遺言書を作成した後に生活状況や財産状況が変わった場合には、遺言書の内容を見直したうえで、現在の状況や事情と沿う形での作り直しを検討しましょう。

第2章 遺言書の作り直しをした方がよい主なタイミング

2-1 財産を渡す予定だった人が亡くなった場合

まずは、遺言書で財産を渡す予定だった人が、遺言者より先に亡くなった場合です。
既に作成済みの遺言書の中で、財産を渡す予定だった人が先に亡くなった場合の取り扱いを定めていなければ、その財産について別途遺産分割協議が必要になる可能性があります。
このような場合では、再度相続人となる人の範囲を確認の上で、財産の分け方を改めて整理の上で遺言書を作り直すことを検討されたほうがよいでしょう。

2-2 財産内容が変わった場合

次に、遺言書に記載した財産が大きく変わった場合です。
たとえば、預貯金口座を解約したなどで遺言書に書かれている財産がなくなっていれば、その部分の遺言内容は実現できません。
また、別の不動産を新たに購入したなど、遺言書に書かれていない新しい財産が増えている場合、その財産について相続人間で遺産分割協議が必要になることがあります。
財産内容が大きく変わった場合には、現在保有している財産を一覧にしたうえで、遺言書の内容を今の財産状況に合った形で作り直したほうがよいといえます。

2-3 家族関係が変わった場合

遺言書を作成した後に、結婚や離婚、子どもの誕生などがあった場合にも、一度内容を見直した方がよいタイミングといえます。
結婚や離婚で遺言書に記載していた家族関係と現状が変わった場合には、現状に合わせた内容で遺言書の書き換えを行った方がよいですし、もし再婚をされた際に、前婚の子と現在の配偶者との間で相続トラブルが起きないようにしたいというような場合も、遺言書の内容を見直したほうがよい場面です。

2-4 財産を残したい理由や気持ちが変わった場合

法律関係や財産内容に大きな変化がなくても、ご自身の気持ちが変わった場合には、遺言書を作り直した方がよいタイミングです。
たとえば、以前は子どもたちに平等に残すつもりだったが、その後、長年介護をしてくれた子どもに少し多く残したいと考えるようになることもあるでしょうし、反対に、以前は特定の相続人に多く残すつもりだったが、その後の家族関係の変化により、できるだけ平等にしたいと考えるようになることもあります。
遺言書は、ご自身の意思を相続の時に反映させるためのものです。
現在の希望と遺言書の内容にずれがある場合には、作り直しを検討した方がよいでしょう。

2-5 相続税や遺留分への配慮が必要になった場合

遺言書を作成した後に財産額が増えたり、不動産の評価が上がったりすると、当時想定していたよりも相続税の負担が大きくなることがあります。
また、特定の相続人に財産を集中させる内容の遺言書では、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
作成当時は問題が少ないと思っていた内容でも、現在の財産状況や相続人関係を前提にすると、相続税や遺留分への備えが不足していることがあります。
このような場合には、相続税の見込み、遺留分のリスクなども含めて内容を見直すことが大切です。
弁護士と税理士に相談しながら、現在の状況に合った内容へ整えていくとよいでしょう。

第3章 遺言書を作り直す場合に注意したいこと

遺言書の内容を見直した結果、現在の状況に合っていないと感じる場合には、遺言書の作り直しを検討することになります。
ただし、古い遺言書を残したまま新しい遺言書を作成すると、後から「どちらの遺言書が有効なのか」という問題が生じることがあります。
そのため、作り直しをする場合には、新しい遺言書の内容だけでなく、過去に作成した遺言書との関係も整理しておくことが大切です。

3-1 原則古い遺言書を撤回して、新しく作成をする

自筆証書遺言の場合、法律上は、作成後に一部を訂正したり、内容を書き加えたりすることも可能です。
ただし、すでに封をして保管している自筆証書遺言を開封して訂正し、再度封をする方法は、実際に相続が発生した際に「本当に本人が訂正したのか」と疑われる原因になりかねないので実務上はあまり推奨はされません。
そのため、公正証書・自筆証書を問わず、遺言書の内容を変えたい場合は、現在の状況を前提に、誰にどの財産を残すのかを改めて整理したうえで、新しい遺言書として作成することとなります。
なお、その際は、「これ以前に作成した遺言書をすべて撤回する」という趣旨を新しい遺言書の中で明確にしておくようにしましょう。

3-2 自筆証書遺言から公正証書遺言への変更も検討する

特に財産や家族関係が複雑になっている場合は、以前は自筆証書遺言にて作成していた場合でも、見直しのタイミングで公正証書遺言に変更することを検討してもよいでしょう。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書です。自筆証書遺言に比べると費用や手間はかかりますが、形式不備によって無効になるリスクを抑えやすく、原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配も少ない方法です。

また、ご自身の判断能力に少し不安が出てきたような場合も、遺言書の有効性という観点から、公正証書遺言にしておいた方がよいこともあるので、遺言書の形式に悩まれる場合も一度弁護士にご相談をされてみてください。

第4章 福岡・博多で古い遺言書の見直しを相談する場合

相続LOUNGEは、博多マルイ内にある相続相談窓口として、福岡・博多で遺言書の見直しや相続対策を検討している方が、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に相談しやすい場を目指しています。

大分前に遺言書を作成したが今もそのままでよいか不安な方は、まずは現在の遺言書と財産資料をお持ちの上でご相談にいらしてください。
現状と希望をお伺いしたうえで、相続税や遺留分のリスク面も含めて検討し、作り直しが必要かどうか、作り直す場合にはどのような内容・方式が適しているかを弁護士がご提案させていただきます。
初回相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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