放置していた相続手続は今からでも相談できますか?|時間があいた相続手続きを相談したい方へ、まず整理できることを専門家が解説

親や家族が亡くなった後、相続手続きを進めなければならないと分かっていても、忙しさや親族間の事情から、何年もそのままになってしまうことがあります。
「実家の名義が亡くなった親のままになっている」
「兄弟と話し合うのが気まずくて、そのまま時間が経ってしまった」
「今さら相談しても怒られるのではないか」
このような不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、相続手続きを放置していたからといって、今から相談してはいけないわけではありません。むしろ、時間が経っている相続ほど、相続人や財産の状況を一度整理し、どこから手を付けるべきかを専門家と確認することが大切です。
この記事では、福岡・博多で相続相談を検討している方に向けて、放置していた相続手続きを今から進める場合にまず確認すべきこと、相談時に準備できるとよい資料などを弁護士がお伝えします。

相続手続きを放置していても、今から相談して大丈夫です

相続手続きを長期間放置している方の中には、「何年も何もしていないので、相談しづらい」と感じている方が少なくありません。
ですが、実際の相続相談では、相続発生から数年、場合によっては10年以上経ってから相談に来られるケースもあります。
相続を放置してしまう理由はさまざまです。
・数代前の相続の時に手続きをしていなかったのが今分かった
・実家に誰も住まなくなったが、売却や名義変更を先送りしていた
・相続税がかからないと思い、全体の整理をしていなかった

相続は、法律上の手続きであると同時に、家族関係や感情も深く関わる問題です。
そのため、「やらなければならない」と分かっていても、なかなか動けないことは珍しいことではありません。
今からでも大丈夫ですので、専門家にお話しいただいたうえで何をしなければいけないのかを一緒に確認していきましょう。

注意が必要な点:長期間相続手続が放置されてしまうと、今から使えない制度や主張しにくくなる権利もあります

法律上は、相続が発生した時点で、亡くなった方の財産や権利義務は相続人に引き継がれます。遺産分割協議や名義変更をしていないからといって、相続そのものがなかったことになるわけではありません。
一方で、相続手続が長期間後回しになってしまっている状態により、相続手続を進めるうえでの方針を決める際に制限がかかることもあります。

まず、代表的なのは、相続放棄や限定承認です。これらは、原則として相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があるため、相続発生から長い時間が経っている場合には、利用が難しくなっている可能性があります。

また、遺言によって特定の相続人に財産が偏っていた場合の遺留分侵害額請求にも期間制限があります。請求できる期間を過ぎると、たとえ不公平に感じる内容であっても、金銭的な請求ができなくなることがあります。

さらに、生前贈与を受けた相続人がいる、親の介護や財産管理に大きく貢献した相続人がいるといった事情についても、時間が経つほど資料や記憶が残りにくくなりますので、特別受益や寄与分として主張したくても、証明が難しくなることがあります。

このように、放置していた相続では、「今からできる手続き」と「すでに難しくなっている可能性がある主張」を分けて考えることが大切です。
ご相談の際は、現在の状況を前提に今から現実的に取れる方法を整理していくことになります。

放置していた相続でまず確認したい3つのこと

相続手続きを長期間進めていない場合、最初から遺産の分け方を決めようとすると、かえって混乱することがあります。
まずは、次の3つを整理することから始めるのが現実的です。

1 相続人が誰なのか

最初に確認すべきなのは、誰が相続人になるのかという点です。
相続が発生した当時の相続人だけでなく、その後に相続人の一部が亡くなっている場合には、その方の相続人も関係してくることがあります。
たとえば、親が亡くなった後に相続手続きをしないまま、兄弟の一人が亡くなった場合、その兄弟の配偶者や子どもが手続きに関わる可能性があります。
ここは時間が経つほど関係者が増えやすくなってしまいますので、まずは無くなった方を中心に家族関係をわかる範囲で書きだしたうえで相談に来ていただけると、専門家も状況を整理しやすくなります。

2 どの財産が相続手続未了として残っているのか

次に確認したいのは、どの財産について手続きが残っているのかです。
代表的なものとしては、次のような財産があります。
・預貯金
・自宅や土地などの不動産
・株式、投資信託
・生命保険
・自動車
・借入金や未払金
・事業用資産

長期間放置している場合、通帳や証券会社の書類が見つからないこともあります。
また、金融機関の統廃合により、当時の銀行名と現在の銀行名が変わっていることもあります。
預貯金については、長期間取引がない場合に休眠預金として扱われることがありますが、取引のあった金融機関で手続きをすれば引き出しは可能とされています。
ここについても正確な金額が全てわからなくても相談はできますので、大体こんな財産がこれぐらいあるという程度でも構いません。(財産の全容が分からない場合は、相続財産の調査から弁護士にお任せいただくこともできます。)

3 どこで相続手続きが止まっているのか

相続を放置しているといっても、状況は人によって異なります。
たとえば、次のようなケースがあります。
・何も手を付けていない
・戸籍だけは集めたが、その後進んでいない
・相続人同士で話し合ったが、合意できず止まっている
・預貯金は解約したが、不動産の名義変更が残っている
・実家を売りたいが、名義が亡くなった方のままになっている

どこで止まっているかによって、次に必要な手続きは変わります。
そのため、相談時には「何が終わっていて、何が残っているのか」を完璧でなくてもよいので整理しておくと、弁護士含めて今後の流れを確認しやすくなります。

「時間が経っているから無理」と再度放置することは避けてください

相続手続きを放置していると、「もう期限が過ぎているから何もできないのでは」と不安になる方もいます。
たしかに、相続には期限が問題になる手続きがあります。
たとえば、相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
また、不動産については、2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする必要があります。
こちらも正当な理由なく申請しない場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。
そのため、期限のある手続きについては、早めの確認が必要です。

そして、期限が過ぎている可能性があるからといって、相談しても意味がないわけではありません。
相続放棄が難しい場合でも、債務の有無や支払義務の範囲を確認する必要がありますし、相続登記が遅れている場合でも、今から登記を進めるために、相続人の調査や遺産分割協議を行う必要があります。
時間が経過していたとしてもやらなければならない対応がありますので、まずは相談の上で今からしなければならないことの整理を一緒に進めていきましょう。

放置していた相続を進めるときに、先にやってはいけないこと

放置していた相続では、「まず何をするか」と同じくらい、「何を先にしない方がよいか」も重要です。

たとえば、一部の相続人だけで財産の分け方を決めたりすることは避けましょう。
既に長期間が経過している状態で、黙って勝手に話を進められたという印象を他の相続人に持たれると、その後の話し合いがうまく進まない原因にもなりかねません。
また、古い通帳や郵便物、保険会社や証券会社からの書類などについても、相談前に処分してしまうことにも注意が必要です。
金融機関の取引履歴については遡って取得できる範囲に限度がある場合もあり、時間が経った相続では、少しの資料が財産調査や相続人間の主張を裏付ける証拠として使えるケースもあります。
何がどこで役に立つかは分かりませんので、可能な限り資料の処分は後回しにしましょう。
判断に迷う場合には、動き出す前に一度専門家へ相談し、進め方を整理してから対応することをおすすめします。

相談前に資料がそろっていなくても問題ありません

放置していた相続について相談する際、「資料がほとんど残っていない」「何を持っていけばよいか分からない」と不安に思う方もいます。
しかし、資料がすべてそろっていなくても相談は可能です。
まずは、分かる範囲で次のような資料や情報を持参していただけると、相談が進めやすくなりますので、相談までのご参考にしていただきたいです。
・亡くなった方の氏名、死亡日、最後の住所
・家族関係が分かるメモ
・戸籍謄本、住民票など手元にある書類
・固定資産税の納税通知書
・不動産の登記簿謄本
・預貯金通帳、金融機関からの郵便物
・証券会社や保険会社からの通知
・借入金やローンに関する書類
・過去に作成した遺産分割協議書案
・相続人同士のやり取りが分かるメモ、LINE、メール

相続LOUNGEでは「今さら相談してよいのか」という段階からご相談いただけます

放置していた相続で一番大きなハードルは、手続きそのものよりも、「今さら相談してよいのか」という心理的な不安かもしれません。
しかし、相続手続きは、放置していた期間が長いほど、ご自身だけで整理することが難しくなる傾向があります。
だからこそ、早い段階で専門家に状況を見てもらい、次の一歩を確認することが大切です。
相続LOUNGEは、博多マルイ内にある相続相談窓口として、弁護士・税理士・司法書士などの専門家が連携しながら、相続に関する相談に対応できる体制を整えています。
「何年も前の相続なので相談しづらい」
「資料がそろっていない」
「誰に相談すべきか分からない」
「実家の名義変更だけなのか、遺産分割も必要なのか分からない」
このような段階でも、まずは状況を整理するところから相談できます。

放置していた相続手続きを今から進めたい方、実家の名義変更や預貯金の手続きがそのままになっている方は、お気軽にご相談をお待ちしております。

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