相続手続は専門家に依頼しよう!

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相続手続きは自分で行うことも可能です。では、相続手続きを専門家に依頼するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
また、相続手続きを依頼できる専門家にはどのような人たちがいるのでしょうか。
今回はその疑問にお答えします。

1.はじめに

過去に相続を経験したことがある人を対象に行ったあるアンケート調査で、実に半数以上の人が「相続について専門家に依頼した」と回答しています。
そしてその理由は、相続手続きが複雑であるためです。以下では、相続手続きとは具体的にどのようなことが必要になるのか説明します。

2.相続手続きで必要な作業とは?

(1)相続人の確定

誰が相続人になるかというのは民法で定められています。相続人を確定させるためには、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を収集する必要があります。
なお、戸籍が保管されている市町村役場が近隣であれば窓口で手続きをすることも可能ですが、遠方であれば郵送で戸籍を請求する必要があります。

窓口で戸籍の請求をする場合は、職員の方に相談しながら必要な戸籍を収集することも可能ですが、郵送での請求となると自身で戸籍を読み解き、必要な戸籍を特定して請求する必要があります。
また、郵送での請求には1つの戸籍を取得するために一定の時間を要するデメリットも生じます。

(2)相続財産の評価

被相続人の遺産が現金のみであれば相続財産の評価は容易ですが、預金、不動産、株式などが存在する場合は評価額を定めなければなりません。
正確な評価額を算出するためには、金融機関、不動産業者など外部の協力が必要になるケースが多くあります。

預貯金が複数の金融機関にある場合、不動産が全国に点在している場合などは、多数の関係先と関わる必要性が生じます。
手続きに必要となる資料、手順はそれぞれの手続き先により異なるため、相続人自身で全てに対応するには情報の整理、対応する時間ともに困難となります。

(3)遺産分割協議

相続人が複数人いる場合には遺産分割協議が必要となります。
相続人間で遺産分割案の内容に争いがない場合は問題ないですが、争いがある場合には当事者同士での解決が難しくなるケースも多々あります。

また、遺産分割協議が成立した後に遺産分割協議書を作成するときには、法的に不備が無い遺産分割協議書を作成する必要があるため、相続人自身で対応をするにはリスクが生じる可能性もあります。

(4)相続財産の名義変更

金融機関や登記所で各名義変更の手続きをする必要があります。名義変更の手続きは、簡単に進まないことも多く、想像以上に手間と時間がかかります。

相続手続きで必要な作業がたくさんあることや、それぞれの作業でたくさんの書類を収集しなければならないこと、手続きに時間がかかることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

3.相続手続きを専門家に依頼するメリット

相続人自身でも対応が可能である相続手続きを、専門家に依頼するメリットについてご説明致します。

(1)手続きにかかる時間の削減

前述した通り相続手続きを進めるには、多数の書類収集、関係各所との調整が必要となります。これらの手続きを相続人自身で行うとなると、一定の時間を確保しなければなりません。
しかし、専門家に依頼した場合には、書類収集、関係各所との調整を代行して行えるため、相続人がかかる相続手続きに割く時間を大幅に削減できます。

また、専門家は相続手続きにかかる経験が豊富なため、相続人自身で手続きを進めるよりも、効率よく手続きを進められることから相続手続きが完了するまでの時間を短縮するといった効果も期待できます。

(2)リスクの軽減

相続人自身で相続手続きを進める場合、遺産の分割方法、相続税の申告、不動産の登記などは、特に法的な知識を要する手続きとなるため、相続人が誤った方法で手続きを進めることによって、後に手続きが無効であると判断されることや、相続人自身が金銭面などの損害を受けるリスクが生じます。
専門家に手続きを依頼することでその様なリスクを大幅に軽減することが認められます。

4.相続手続きを依頼できる専門家って?

相続手続きを依頼できる主な専門家は下記の通り4種類に分けられます。

(1)司法書士

相続登記の専門家で、相続に関する幅広い業務を行う事ができ、相続、不動産に関する知識が豊富です。

《こんな人は司法書士に依頼しましょう》
■相続した財産の中に不動産がある
■遺産分割協議書を作成したい
■相続放棄をしたい
■遺言書を作成したい
■リーズナブルに手続きをしたい

(2)税理士

税に関する専門家です。相続が発生した場合、一定額以上の遺産がある場合、相続税の申告をしなければなりません。この申告は税理士しか行えません。

《こんな人は税理士に依頼しましょう》
■相続税の申告が必要

(3)弁護士

紛争解決のスペシャリストです。例えば、相続人間で紛争がある場合、代理人となって紛争を解決します。

《こんな人は弁護士に依頼しましょう》
■相続人間で紛争になっている
■遺産分割協議書を作成したい
■遺言書の有効性について確認したい
■相続放棄をしたい
■遺言書を作成したい

(4)行政書士

役所等に提出する書類を作成するスペシャリストです。

《こんな人は行政書士に依頼しましょう》
■遺産分割協議書を作成したい
■遺言書を作成したい
■金融機関の相続手続きをしたい

5.おわりに

相続手続きは想像以上に手間と時間がかかり、法的な知識を必要とする場面も多々発生します。相続人自身で手続きを進めることも可能ですが、万が一、手続きの過程で誤った方向で進めた場合には、後に予期せぬ損害が生じるケースもあります。
これらのデメリットを解消するためにも一度専門家へ相談されることをお勧めいたします。
 
 

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